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■まとめと考察
台湾はこの40年間に急激な社会、経済発展を経験した。国民一人当たりのGNPは1967年のUS$250から1986年にはUS$6,000以上になった。第一次産業における雇用労働者率は、1967年42.5%から1986年17.0%に減少する一方、第二次産業の雇用労働者率は1967年24.6%から1986年41.5%に増加した。都市計画地域(都市部)に住む人口は74.3%(1986年)に達した。短大・大学の在学者のうち女子の占める割合は29.4%(1967年)から41.7%(1986年)に達した。自動車保有率も1,000人当たり4台(1967年)から77.1台(1986年)へ上昇した。テレビ保有率も1,000世帯に49.4台(1966年)から1,066.6台(1986年)へ上昇した。6歳以上人口の文盲率は19.4%(1967年)から8.0%(1986年)へ減少した。社会保障のカバー率も1967年の7.4%から1986年の28.8%へ上昇した。このような変化が、伝統的な中国文化を継承してきた台湾の家族へ大きな影響を与えた。
本稿は、台湾家族計画研究所が収集した種々の統計を用いて、台湾の家族における世代間関係を分析した。言及している時期は1967−1986年で、検討した関係因子は、居住形態、経済関係、相互訪問、婚姻決定への関与、期待する子への教育、である。これらの関係因子は、彼らの過去の経験と将来の期待度とに分けて分析された。
伝統的な中国人家族において、結婚は家父長制で、新婦は新郎の家へ入り、夫の両親と暮らす。しかし、台湾ではすべての新婚のカップルが夫の両親と同居するわけではない。1967年においてサンブルの89.8%のカップルが新婚当初から両親と同居していたが、1986年には72.7%となっている。近年の新婚カップルではさらにこの数字は低くなり、1952−56年に結婚したコーホートでは86.6%だったのが、1982−86年のコーホートでは68.8%となっている。この変化は近代化要因に関係している。
新婚当初から夫の両親と同居したカップルの多くが生涯を通じて同居しているが、すべてがそうであるわけではない。1973年調査では、かれらの59%が

 

 

 

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